レモングラスはレモングラス | ひとつじゃない価値

今年のレモングラス。
収穫の時に初めて気づいたのだけど
香りの弱い株があったんです。

同じ畑で、同じように育てたつもりなのに
はっきりとした違いがありました。

やっぱり植物。
生きていて、個性もあるんですよね。
全部が同じになるわけじゃないんだと
改めて感じました。

私は、収穫時には一株ずつ
カットの先の香りを感じるようにしています。

最初は単なる気まぐれの興味でしたが
明らかな違いに気づいてからは
意識的に香りを感じるようにしていました。

ジャッジといえばジャッジなんだと思いますが
意識的には「対話してる」ような感じなんです。
ああ、あなたはこんな香りなのねーって。

香りはね、
だいたいは似ています。

でも今回の子は明らかに香りが違う。
だから、乾かすところから分けておくことにしました。

混ぜちゃうとわからなくなりますしね。

自分の感覚で違うと思ったことは
うやむやにしたくなかったから。

でね。もちろんこの子も
ティーにはしてみたんです。
もしかしたら、思ったより
違和感ないのかもしれないし。

…と思ったけど、
ティーにしたら驚くほどの違いになりました。

というわけで結局、
その子はブレンドには入れませんでした。

でもね。
ひとつだけ付け加えさせてください。

その子がだめなわけじゃない
と私は思ってます。

確かに、
その子は、ティーに向く
香りの立ち方はしませんでした。

けれども、
切れ長のシュッとした
しなやかな葉っぱだったから
クラフトにはちょうどいいのかもしれません。

レモングラスはレモングラス。

そのラベルは
人間が後からつけたもの。

良し悪しって、
きっと一つじゃなくて
何を主語にするかで、
見え方も変わると思うんですよ。

だから、私は来年も
畑に戻して育ててみようと思ってました。
どんなクラフトに使えるかなぁと
想像してたんです。

でも、その子、
どうも冬越しが難しかったみたいで…。

レモングラスは今
同じようにお部屋で冬越ししてるけど
ひとつだけ芽が出て来ず、
引っ張ってみたら簡単にぽろぽろととれちゃったんです。
なんというオチ…。

お別れは突然。
でも、これがその子の時間だったんだろうなって思ってます。

形は変わったけど
畑に返してあげよう。

来年、また違う形で会えたらいいなぁ。

ぐるぐると循環しながら
小さな森は続いていきます。

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しるべ